元来は、拳銃などの銃身の穴を空けるために開発された機械、それがガンドリル。テインの生産現場では、ピストンロッドにバイパスを設けるために使用されています。寸分の狂いも無く、高精度に空けられた穴。この穴こそが、ショックアブソーバの微細な減衰力コントロールを可能にするのです。
最新のものを導入するだけでなく、独自のアイデアを導入し、改良を繰り返してきた製造加工機械。超性能をリーズナブルなプライスで提供するための、テインならでは数々の取り組み。そこには、理想のサスペンションを追求する、クラフトマンシップがあふれています。
頑固なまでにこだわり、一分の妥協も許さない精神。その一方で、コンピュータ制御のもと、一元管理された生産ライン。すべてのパーツに対する高い要求をクリアし、完成したショックアブソーバは、まさにテインの哲学の結晶なのです。
高品質な製品には、加工の段階から一寸のズレも許されません。テインが設計した両端加工機などの最新の工作機が、精密な加工を効率的に行います。そして、瞬時に確実な溶接を可能にするスポット溶接機、正確にプログラミングされた溶接ロボット。均一の動作を繰り返す機械と、肉眼によるチェックが連携し、高品質、高強度の製品が作られていきます。
美しさだけでなく防錆性・耐久性を保つため、初めに防錆効果の高い下地の粉体塗料を吹き付け、さらにグリーンの粉体塗料を吹きつけた後、高温で焼き付けます。粉体塗装は1回塗料を吹いたら1回焼くのが通常で、2コートの場合は焼付けも2回なのですが、ここでもテインは徹底した高効率を追及し、独自に焼付けを1回とする2コート1ベーク式を開発。この優れた塗装技術は、特許を出願しています。
ショックアブソーバの心臓部である減衰力を決定するピストンバルブは、テイン設計の専用機械で組み立てられます。単筒式のショックアブソーバはテインが設計・制作した組立機によって、複筒式は熟練した作業者によって、丁寧に組み立てられ、厳重なチェックを経てお客様のもとに届けられます。
お客様が望む高品質な製品を、必要な時に必要なだけ効率良く製造する。その方針に基づいてテインが取り組んできたのが、高品質を維持しつつ、多品種少量を生産する製造工程です。テインでは加工プログラムが一元管理されており、作業者がそれを現場の都合で変えることはできません。あらゆることをすべて自社で管理しているので、万一のトラブルにも迅速に対応でき、常に高品質な製品をお届けできるのです。機械に頼る部分もありますが、最終のアセンブリである組立に関しては、職人的な要素が非常に多くあります。それは1つ1つの製品に、私たちが命を吹き込む瞬間でもあります。