灼熱のアフリカ大陸。想像を絶する過酷な環境。1995年のサファリラリーで優勝を飾ったドライバーは、藤本吉郎(トヨタ・セリカGT-FOUR)でした。
世界一過酷とされるラリーで、日本人では初めての快挙を成し遂げたのです。前年には日本人で初めてTTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)の年間契約ドライバーとなり、2度目の挑戦となったサファリ。「ヨシオ・フジモト」の名前が、世界のモータースポーツ史に偉大な足跡を刻んだ一瞬でもありました。経営者が世界選手権の覇者という企業は、世界を探しても多くないはずです。
テインがアメリカに本格進出する前のこと。藤本は2年かけて現地で綿密なマーケティング活動を行い、500店以上もの販売店を直接訪問しました。その中でテインを知らなかったのは、なんと2店だけ! すべてアポなしの訪問だったため、メーカーがショップを訪問する文化の無いアメリカでは、「Suddenly TEIN Came!」(突然テインがやって来たぞ!)とショップのWEBサイトに掲載されるほどの歓迎を受けることもありました。海外でのTEINブランドの知名度の高さを示すエピソードです。
テインの社名の由来は、「TE」 CHNICAL 「IN」 NOVATION(テクニカル・イノベーション/技術革新)の最初の2文字を組み合わせたもの。常に最新の技術で最高の製品をリリースしていくというポリシーから、『TEIN』と命名しました。
時代の変化とともに、TEIN製品は〈進化〉からさらなる〈深化〉を極めてきました。創業から20年以上たった今も、その信念が変わることはありません。
2006年、テインは「スペシャライズドダンパー」というワンオフ製品の販売を開始しました。量産品が対応していない車種にも対応し、お客様のご希望に沿った手作りのダンパー。テインの匠たちが、たった1台のクルマにその技術の粋を注ぎます。
受注生産から始まったテインの、お客様のことを考えた「原点回帰」。すべての方に、好きな車で楽しんでいただくこと。それは私たちのテインの願いであり、約束でもあります。
テインの広告やイベントに登場する、大きな目、緑色の体、タンクを背負ったキャラクターの名前は「ダンパッチ」。お子さまやグッズマニアにも人気で、今や「ビバンダム」と並ぶモータースポーツ界のアイドルです。
社内公募で誕生したダンパッチには「多くの方に、サスペンション製品やカスタマイズカーの文化に親しんでいただきたい」という想いが込められています。