ショックアブソーバー、またはローダウンスプリングを装着する際、ジャッキアップまたはリフトアップした状態ではサスペンションアームのボルトは仮締めとしておき、車両を地面に降ろした1G状態での締め付けが必要となります。【写真3】 ジャッキアップまたはリフトアップした状態でサスペンションアームのボルト【写真2】を規定のトルクで締め付けますと、車両を地面に下ろした状態(1G状態)で、車高が落ちないという症状が発生致します。サスペンションアームとボディを介するゴムブッシュにねじれが発生し、そのゴムブッシュのねじれる力によって車高が落ちないといった状態になってしまうのです。最悪の場合はゴムブッシュの破損にもつながります。
これを行う事により、仮締めした状態で、車両を地面に下ろす事で、ゴムブッシュに不要なねじれが発生することなく、設定した通りの車高となります。これは主にマルチリンク、ダブルウィッシュボーン系の車両において発生しやすい症状ですが、サスペンションの形状に関係なく、ショックアブソーバまたはローダウンスプリングを装着された場合は、必ず1G状態で各アームのボルトを締め付けて頂けますよう、お願い致します。なお、アームにピロボールが使用されている場合はこの限りではありません。
1G状態でのアーム部ボルトの締め付けなどの必要な作業を行い、一旦試験走行を行った後で車高を確認することをおすすめ致します。1G状態でのアーム部ボルトの締め付けを行った場合とそうでないにおいて、最大で約10mm程度車高に差がでる場合があります。【写真4、写真5】